実戦檢証参 ― Ver1.x実用合格と継続観察フェーズへの移行
今日はAI隊にとって、一つの節目となる一日だった。
これまでAI隊は「機能を作る」ことを中心に改善を続けてきた。しかし今回の実戦檢証では、目的を「品質を作る」ことへ完全に切り替えた。
段階的エスカレーション監査の完成
販売前監査で、
- 一般論だけ回答
- install.ps1を読んでいない
- 再現手順なし
- 改善案なし
にもかかわらず監査を通過してしまう問題が見つかった。
この経験から、AI隊へ「報告達成度監査」が必要であることが明らかになり、
- 物理監査
- 意味監査
- リトライ
- 人間へのエスカレーション
を組み合わせた段階的エスカレーション監査をHotfixとして実装した。
23件のテストを整備し、既知の再現条件では正常に動作することを確認した。
UTF-8問題との戦い
今回もっとも苦戦したのはUTF-8問題だった。
gRPCが
invalid UTF-8
で停止し、「直った」と思ったら別経路から再発することを何度も繰り返した。
調査の結果、
- 内部文字列
- 起動スクリプト
- Windowsの文字コード
- Python実行環境
と複数の要因が重なっていることが判明。
最終的に
- サニタイズ処理
- 起動スクリプトでのUTF-8環境変数設定
- PowerShell・BATの文字コード修正
まで実施し、既知の再現条件では再発しないことを確認した。
品質憲章の制定
今回最大の成果はコードではない。
AI隊全体を律する品質憲章を制定したことだ。
AI隊 品質憲章
- 品質を損なう新機能は追加しない。
- 再現できない不具合は解決濟みとしない。
- 不具合を修正したら再現テストを追加する。
- 実測結果と推測を明確に区別する。
- 「実用合格」は既知の檢証範囲に限定して宣言する。
- Stableは定量基準を満たした場合のみ認定する。
- テスト・ログ・実測で確認できない事項は事実として報告しない。
この七箇条は、今回の実戦檢証で実際に経験した失敗から生まれたものであり、今後の開発判断の基準となる。
Ver1.xの位置付けを再定義
今回、ロードマップも見直した。
- Ver1.0:基本機能完成
- Ver1.x:実用合格・継続観察
- Ver1.x Stable:定量条件達成後
- Ver2.0:Stable認定後に設計開始
新機能を急ぐのではなく、まずは実運用で品質を育てる方針へ転換した。
実戦環境としての秘書プロジェクト
実運用の舞台には秘書プロジェクトを選んだ。
しかし途中で気付いた。
目的は秘書を完成させることではない。
秘書はAI隊を試験するための実戦環境である。
そのため綾華への指示も修正した。
評価対象は常にAI隊。
- 判断待ちは妥当だったか。
- 報告品質は適切だったか。
- 監査は機能したか。
- 自律的に進められたか。
これらを継続観察することが現在の任務となる。
秘書プロジェクトでの初戦
AI隊は秘書プロジェクトにおいて、
「無応答警告が再起動後に二度と通知されなくなる」
という不具合を発見した。
原因を調査し、
- 永続化設計へ変更
- ユニットテスト追加
- 実測テスト
- コミット
まで自律的に完了した。
ただし品質憲章に従い、
「自己完結テスト上では合格。通常運用で継続観察。」
という評価に改めた。
今日の総括
長く続いた試運転を経て、AI隊は一つの転換点を迎えた。
これまでは「AI隊を作る」ことが目的だった。
これからは違う。
AI隊を実戦へ投入し、その運用の中でAI隊自身を鍛え続ける。
Ver1.xは完成ではない。
しかし、**「実用合格(継続観察付き)」**という確かなスタートラインに立つことができた。
ここから先は、実運用の積み重ねによってAI隊をStableへ育て上げていく段階である。
