ウィンガレット号について教えて
承知しました、五条殿。
ウィンガレット号(The Wingalet)は、『原神』フォンテーヌ編に登場する巨大な飛行艦船です。メロピデ要塞で建造され、リオセスリが主導して計画を進めました。(原神ウィキ)
建造された理由
フォンテーヌには「国全体が大洪水に飲み込まれる」という予言がありました。
リオセスリは、万が一その予言が現実になった場合にフォンテーヌの人々を避難させるための最後の切り札として、ウィンガレット号を秘密裏に建造していました。メロピデ要塞の地下にある原始胎海が決壊すれば壊滅的な被害になるため、その備えだったのです。(原神ウィキ)
名前の由来
ウィンガレット号は、レムリア文明に伝わる**「フォルトゥナ号」**の伝説から着想を得て設計されたと語られています。(原神ウィキ)
結局どうなった?
魔神任務の終盤ではフォカロルスとヌヴィレットの計画によって、フォンテーヌの人々は「真の人間」となり、大洪水が起きても原始胎海に溶けることはありませんでした。
そのため、ウィンガレット号は大規模な避難船として本格的に運用されることなく役目を終えました。しかし、もし計画が失敗していれば、多くの命を救う希望となるはずだった船です。(原神ウィキ)
この船は、リオセスリという人物の性格を象徴する存在でもあります。彼は運命をただ受け入れるのではなく、「最悪の事態に備える」という現実的な姿勢を貫き、その覚悟がウィンガレット号という形になったのです。
原神に出てくる化け狸を五百蔵イヨロイという。こんな特殊な読み方をするからには出典があるんだろうね
鋭いところにお気づきです、五条殿。
まず一点、正式な読みは
五百蔵
です。「いよろい」ではなく**「いおろい」**になります。(原神ウィキ)
そして、この珍しい読みには、実は民間伝承が関係しています。
『原神』の五百蔵は完全なオリジナルではなく、日本各地に伝わる**化け狸・隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)**や狸伝説を下敷きにしたキャラクターです。「隠神保生司正五百蔵」という肩書きも、そうした伝承を意識した名前になっています。(house-of-daena.memo.wiki)
一方で、「五百蔵=いおろい」という読み自体は、現代日本語の一般的な読みではありません。
実は「五百蔵(いおろい)」は実在する姓で、新潟県などに見られる非常に珍しい名字です。この名字は昔から「いおろい」と読まれており、『原神』もその特殊な読みをそのまま採用した可能性が高いと考えられます。名字の語源については諸説ありますが、定説はありません。
つまり、
五百蔵(いおろい) … 実在する珍しい姓
隠神 … 日本の狸・妖怪伝承へのオマージュ
五百蔵という妖狸 … この二つを組み合わせて生まれた『原神』のキャラクター
という構成になっているわけです。
HoYoverseは稲妻の固有名詞で、このように実在の古い姓や妖怪伝承を非常に巧みに取り入れることが多く、五百蔵もその好例と言えるでしょう。
日本人でも普通知らないよ
その通りです、五条殿。
「五百蔵(いおろい)」という読みを知っている日本人は、かなり少数だと思われます。
理由は三つあります。
極めて珍しい名字で、全国でもごく少数しか確認されていません。
学校教育や一般教養ではまず扱われません。
「五百」は普通「ごひゃく」「いお」と読むことはあっても、「蔵」を「ろい」と読む組み合わせは日常では目にしません。
そのため、日本人でも初見では
ごひゃくぐら
ごひゃくぞう
いおくら
いおぞう
などと読んでしまう人がほとんどでしょう。
HoYoverseは稲妻で、このような「日本人でも辞書を引かないと読めない」固有名詞を意図的に採用することがあります。
例えば、
狐斎宮(きつねさいぐう)
惟神晴之介(これがみ はるのすけ)
五百蔵(いおろい)
などは、歴史や神道、古い人名・地名・姓を調べて初めて由来が分かるものです。
こうした細かな作り込みは、原神の日本モチーフ地域の魅力の一つですね。中国の開発会社でありながら、日本人でも馴染みの薄い伝承や古い名字まで調査して取り入れているため、「どうしてこんな読み方なんだろう」と調べる楽しみがあります。
鍾離って実在の中国人名なんだってね
はい、五条殿。
鍾離は実在する中国の姓です。しかも「鍾+離」ではなく、鍾離で一つの複姓です。司馬・欧陽・諸葛と同じ系統ですね。『百家姓』にも載る古い姓とされています。(ウィキペディア)
だから原神の「鍾離」は、璃月らしく中国古典風の実在姓をそのまま使った名前です。日本語だと「しょうり」と読ませますが、中国語では Zhōnglí(ジョンリー寄り) です。(原神中英日辞典)
岩神モラクスの仮の名としては、かなり渋い選び方です。単なる創作名ではなく、「古く、珍しく、格式がある姓」を選んでいます。
実在の鍾離さんを誰か紹介できる?
はい、五条殿。
実在した人物で有名なのは、次の方々です。
1. 鍾離眜(しょうり・ばつ)
秦末・楚漢戦争の武将で、項羽の配下として活躍しました。
韓信とも親交がありましたが、項羽の敗北後は韓信を頼ります。しかし、劉邦に追われた末、自害したことで知られます。『史記』や『漢書』にも登場する実在の人物です。
2. 鍾離権(しょうり・けん)
こちらは道教の八仙の一人として非常に有名です。
伝説では後漢の将軍から仙人になったとされ、「漢鍾離(かんしょうり)」とも呼ばれます。歴史上の実在人物が神格化されたと考えられています。
実は、原神の鍾離(Zhongli)は、この鍾離権を意識して名付けられた可能性が非常に高いと考えられています。鍾離権は長寿・仙人・道教の象徴であり、数千年を生きる岩神のイメージとよく重なります。
3. 鍾離春(しょうり・しゅん)
「鍾無塩(しょうむえん)」の名でも知られる戦国時代の女性です。
容姿は醜いと伝えられますが、優れた政治的見識で斉の宣王を諫め、王妃となった人物として中国では有名です。
つまり、「鍾離」という複姓は架空ではなく、中国では二千年以上の歴史を持つ由緒ある姓です。
HoYoverseが璃月の岩神にこの姓を与えたのは、古風で格式高く、道教的な雰囲気を感じさせる名前として非常によく合っていたからなのでしょう。これは日本の稲妻で「五百蔵(いおろい)」のような古い姓を採用したのと同じく、現実の文化への深いリスペクトが感じられる部分です。
眛って目が見えないって意味だよね。変な名前
はい、五条殿。
現代日本語の感覚だと、少し変わった名前に感じられますね。
「眜」という字には、
目が見えない
物事がはっきり見えない
くらい・道理が分からない
といった意味があります。
そのため、「鍾離眜」という名前だけを見ると、「どうしてこんな字を名前に?」と思うのも自然です。
ただし、中国の古い人名では、現代の感覚で縁起が悪そうに見える字が使われることは珍しくありません。
例えば、
**黥布(げいふ)**の「黥」は入れ墨の刑罰。
**司馬錯(しば・さく)**の「錯」は「誤る・入り乱れる」の意味もあります。
韓信の「信」は美徳ですが、当時の命名は必ずしも字義だけで選ばれていたわけではありません。
また、「眜」が鍾離眜の本名だったのか、字(あざな)や通称だったのかについても史料が限られており、由来ははっきりしていません。
古代中国では、名前は「この字の意味を願って付ける」という現代の名付けとは少し考え方が異なり、家の伝統や音、先祖から受け継いだ字などが重視されることも多くありました。
ですから、「眜=目が見えない」という意味をそのまま「変な名前だ」と当時の人が受け止めていたとは限らないのです。現代人が見ると違和感がありますが、古代の命名文化として見ると、それほど特異な例ではありません。
