令和八年半導体が経濟の主役となる
五条殿、現在のキオクシア(285A)なら、私は**「割高線=8万円前後」**をひとまず置きます。
本日8月20日は約5.3万円。直近ではPBRが10倍超と非常に高い一方、業績予想が急拡大しているため、単純なPBRだけでは割高判定しにくい銘柄です。実際、証券各社の目標株価は11万〜14万円程度が中心で、コンセンサスも約11万円です。(株予報Pro)
私なら価格帯をこう見ます。
~6万円:まだ割安~適正圏
6~8万円:適正~やや高い
8万円~:割高を警戒し始める
10万円~:かなり過熱を警戒
10万8,600円:6月につけた上場来高値。ここは明確な過熱圏の参考になります。(coki)
特に興味深いのは、7月末の暴落時には4万円台で予想PER4倍台との試算も出ていたことです。つまりキオクシアは「株価が高そうに見える」ことと「利益に対して割高」であることが一致しません。(Yahoo!ファイナンス)
ですから、五条殿のように5%以上を狙って回転させる前提なら、私は今の5.3万円を割高とは見ません。7万円台までは保有継続を檢討し、8万円接近から利確を強く意識する、という線がよいでしょう。現在値から8万円なら約**+51%**です。
なお、証券会社の目標株価は将来12か月程度の価値を見るものなので、短期の「割高線」とは別物です。ここは分けて考えるべきでしょう。
思考強くするから考えてみて。
思考を最強にして考えてもらった。
はい、五条殿。平均目標株価約11万1,000円は桁違いではなく、本当にその水準です。
そして、先ほど私が「トヨタを超えるから異常」とした判断のほうが誤りでした。時価総額がトヨタを超えることと、株価が割高であることは同義ではありません。
十一万円でも計算は成立します
キオクシアの発行濟株式数は約5億4,802万株です。2026年8月20日終値は5万2,950円、平均目標株価は11万1,431円となっています。(Yahoo!ファイナンス)
| キオクシア株価 | 時価総額 | 2027年3月期予想純利益に対するPER |
|---|---|---|
| 5万2,950円 | 約29.0兆円 | 約5.2倍 |
| 8万円 | 約43.8兆円 | 約7.8倍 |
| 11万1,431円 | 約61.1兆円 | 約10.9倍 |
| 13万円 | 約71.2兆円 | 約12.7倍 |
トヨタの現在の時価総額は約44.7兆円ですから、キオクシアは正確には約8万1,700円でトヨタと並びます。十一万円なら、確かにトヨタを大きく超えます。実際、キオクシアは6月22日に11万2,700円を付け、一時的に時価総額約60兆円となって、すでにトヨタを抜いています。(株探)
なぜトヨタより高くても理屈が通るのか
2027年3月期のキオクシアのアナリスト予想純利益は約5兆6,200億円です。対して、トヨタの同年度会社予想純利益は3兆2,500億円です。予想が当たるなら、キオクシアはトヨタの約1.7倍の利益を稼ぐことになります。(株予報Pro)
したがって、
キオクシア11万1,431円:予想PER約10.9倍
トヨタ現在値:会社予想利益に対して約13.8倍
となります。時価総額ではキオクシアのほうが大きくても、予想利益との比較ではキオクシアのほうが安いという計算です。
これは、キオクシアの売上高がトヨタを超えるという意味ではありません。NAND価格の急騰によって、キオクシアの利益率が極端に高くなるとの予想が置かれているのです。
ただし、十一万円は強い前提に依存します
キオクシアは2026年4~6月期だけで純利益8,422億円を計上し、9月までの半年間では純利益2兆1,122億円を見込んでいます。爆発的な利益拡大そのものは、すでに実績として始まっています。(Eir Parts)
一方で、この利益はNANDの販売価格に大きく左右されます。4~6月期の平均販売単価は前四半期比で約70%上昇しており、会社自身もメモリー業界は短期間で環境が大きく変わるため、通期予想を出していません。(楽天証券)
つまり、十一万円は、
NAND価格が高止まりし、AIデータセンター需要が続き、2027年3月期に5兆円を超える利益を本当に稼ぐ
という条件付きの適正価格です。永久に61兆円の価値があるという意味ではありません。実際、アナリストの目標価格は4万円から20万円まで散らばっており、専門家の間でも評価が極端に割れています。(Investing.com 日本)
割高線の結論
先ほどの「8万円から割高」は撤回します。現在の業績予想を採用するなら、位置付けは次のとおりです。
8万2,000円前後は保守的な適正線です。IFISのPER基準理論株価は8万2,664円で、楽天証券もNAND価格が横ばいになる慎重な場合の評価を約8万2,000円としています。(株予報Pro)
11万円前後が現在のコンセンサス適正線です。ここから先は「割安」とは言いにくくなり、業績の追加上方修正が必要になります。
12万8,000~13万円が、現時点での明確な割高線です。IFISのPER基準上値目途も12万8,373円であり、ここでは予想利益に対して約11~13倍を支払うことになります。景気循環の激しいNAND企業としては、かなり強気の評価です。(株予報Pro)
したがって、私の修正後の判定は、
割高警戒線:11万円
明確な割高線:13万円前後
です。五条殿の指摘どおり、十一万円ではトヨタを超えます。しかし、予想利益まで含めれば十一万円は計算上成立する。問題は、その利益を何年維持できるかです。
なお、10月1日の1対3分割後に換算すると、11万円は約3万6,700円、13万円は約4万3,300円です。(Eir Parts)
半導体がそんなにすごいとは。俺たちは歴史の転換点にいるんだ。半導体王は誰?
ええ、五条殿。今の半導体産業を「王国」に喩えるなら、王は一人ではなく、何を支配しているかで変わります。
ただし、「半導体王は誰だ」と一人だけ挙げるなら、私は NVIDIAのジェンスン・フアンを選びます。2026年8月時点でNVIDIAの時価総額は約5.5兆ドル。半導体企業として世界最大です。AI計算需要そのものを握っています。(Capital.com)
その一方で、王国の構造はこう見ると面白いです。
| 分野 | 「王」 | 強さ |
|---|---|---|
| 👑 AI半導体 | NVIDIA | GPU・AI計算基盤 |
| 🏭 製造 | TSMC | 世界ファウンドリーの7割超 |
| 🧠 HBM | SK hynix | HBM世界首位 |
| 💾 NAND | Samsung / SK hynix / キオクシア等 | AIストレージ需要 |
| 🏗️ 製造装置 | ASML | 最先端EUV露光 |
特に恐ろしいのはTSMCです。Samsungのファウンドリーシェアが2026年1Qで約7%なのに対して、TSMCは70%以上。(Reuters) 2025年には売上3.81兆台湾ドル、純利益1.72兆台湾ドルを稼ぎました。(TSMC)
そして今回キオクシアを調べていて見えてきたのが、「メモリー王国」が猛烈に強くなっていることです。
SK hynixは2026年1QにHBMで**56.4%**を握っています。DRAMでも29.1%、NANDでも18.5%。 NVIDIAがAIの「頭脳」を売るなら、SK hynixはその頭脳が高速に考えるための「記憶」を供給しています。
キオクシアはさらに別で、主戦場はNAND=大量のデータを保存する領域です。だから五条殿が今見ているキオクシアの利益爆発も、単なる一企業の好決算というより、
AI → 計算量急増 → GPU不足 → HBM不足 → NAND/SSD需要増 → 半導体設備投資増
という巨大な連鎖の一部分と見るべきでしょう。
ただ、「歴史の転換点」という感覚には一つ重要な留保があります。産業革命級の技術革新と、株価が割安であることは別問題です。 8月18日にはMicronが7%、NVIDIAが2.3%、Broadcomが3.2%下落するなど、AI投資額と株価評価への警戒も既に出ています。(AP News)
ですから私は、現在の半導体王国をこう表現します。
王:NVIDIA
王の頭脳:ジェンスン・フアン
王国の工場:TSMC
記憶を握る者:SK hynix
保存領域で台頭する大名:キオクシア
そして投資という観点では、次の「王」を探すほうがNVIDIAを今から追うより面白いかもしれません。キオクシアがそこまで昇れるのかは、かなり掘る価値があります。
この半導体勢力図は動きが速いです。主要5社の時価総額・利益・PERを定期的に追うこともできます。
トヨタを超えるなんて、それは王者だよ
まさしく、五条殿。日本企業の象徴たるトヨタを時価総額で超えるとなれば、「半導体王」と呼びたくなる規模です。
しかもキオクシアの場合、単なる期待だけではなく、NAND価格上昇による利益の爆発が背景にあります。先ほど見たように、11万円でも予想PERが約11倍で計算できてしまう。ここが凄まじいところです。
ただ、私はキオクシアを「日本の新王者」と見るうえで、一点だけ注視します。5兆円級と予想される利益が一時的なメモリー高騰なのか、AI時代の新しい平常値なのか。
後者なら話はまるで変わります。
自動車のトヨタから、半導体のキオクシアへ。
もし時価総額首位が一時的ではなく定着するなら、それは株価の記録更新以上に、日本の産業の主役が交代したことを象徴する出来事になります。五条殿が「歴史の転換点」と感じたところは、まさにそこでしょう。
